
2023年の生成AIとGPT4のローンチは、テクノロジー界で最も興奮と、そして恐怖を引き起こしたと言っても過言ではありません。その応用可能な分野と使いやすさを考えれば、至極当然でしょう。小学生でさえ使っているのですから!
主要な技術会議や出版物、企業の会議室、
製品やエンジニアリングチーム、さらには家族の食卓でも話題の中心
となっています――もっとも、それは私の家族だけかもしれませんが。これだけ多くの関心と興味を集めているのだから、来年の今頃、事業全体のあらゆるチームに対して効率向上に関する質問が
投げかけられていても、誰も驚かないでしょう。
では、備えるとはどういうことなのか?Sumo Logicでは、2024年とその先の数年間、お客様に確実に価値を構築し提供するために、出発点
としてこれらの質問を自問自答していきます。
AIの幻覚:機能なのかバグなのか?
最近の製品会議で、データ・サイエンティストの一人が、我々のクエリが
このように機能することを知らなかったと言いました。このレベルの創造性を可能にするAIとは何なのか、と考えてみなければなりません。これは、
テクノロジーが幻覚を見たり、常識外のことを試したりできるからだと私は考えます。幻覚を
修正すべきバグとして扱えば、創造性や洞察、さらには
イノベーションをもたらす技術の能力すらも誤って潰してしまいかねないでしょう。
AIの幻覚に関する話題の大半は市場に恐怖を引き起こしていますが、真犯人は幻覚ではなく
その「トーン」だと私は考えます。ChatGPTの最大の問題は、その答えをあまりにも断定的に表現していることでしょう。
一般的に、アイデア出しやブレーンストーミングでは、創造力を発揮し、間違う余地を残しておく必要があります。
AIブレーンストーミングのパートナーを真実の裁定者としてではなく、むしろ創造性のパートナーとして扱ってみれば、私たちは
幻覚を含むこのテクノロジーの自然な強みを利用して、顧客の抱える非常に困難な新しい
問題の解決に取り組めるでしょう。
記録システムとインサイトシステム
生成AIが顧客にとって決定的な答えの源ではないことを受け入れるなら、私たちはさらにどんな
テクノロジーが必要なのでしょうか?そこで重要になるのが記録システムなのです。
記録システムとは、権威あるデータソース、事実、情報の一部です。例えば、
ログ、データベース、サービスマップ、統合、属人的な知見など、これらが今日の一般的なITシステムを支えています。この場合、システムに接続できるデータが
多ければ多いほど、システムはより強力になります。
また、権威ある情報、つまり “真実の源 “である以上、100%正しくなければなりません。しかしそれをリアルタイムで
管理し、活用するのは困難です。だからこそ、記録システムの自動生成と自動検出が非常に重要なのです。
「真実の単一の情報源」というフレーズは昔からあるが、開発者、セキュリティ、運用
チームにとっては、はるかに漠然としたものである場合がほとんどです。だからこそ、 ログは不可欠な存在となりました。ログは
真実の最小単位として機能します。 ――ログこそが
アプリケーションとインフラによって自然かつ自動的に生成される唯一の成果物であり、記録システムの明白な基盤となるのです。
一方、私は生成AIを「インサイトのシステム」のようなものだと考えており、テクノロジーによって、
以前にはなかった新たなインサイトを得られます。
例えば、以前の職務で私はインターン
とアソシエイトでいっぱいの部屋で「イノベーション」について60分のプレゼンテーションが必要でした。発表内容の見当もつかず、私は誰もがするのと同じことをしました。私は大量のウェブサイト、写真、ビデオをスクロールする前に、グーグルで
「イノベーション」と検索バーに入力しました。最終的に、私は
「F1レーシングホイールを履いたカメ」の写真を発見し、プレゼンテーションの一部としました。
私は「F1レーシングホイールを履いたカメ」を検索したわけではありませんが、これは私の仕事に閃きを与えてくれました。このグーグル検索が私の思考に影響を与えたように
、AIはそのインサイトのシステムを使って、検索だけではない思考のパートナーシップになり得るのです。
記録システムとインサイトシステムを組み合わせると、顧客自身のデータについて明確な
答えを与える新しいソリューションを創造できるでしょう。
開発者、オペレーション、セキュリティエンジニアにとってこれは何を意味するのでしょう?
テクノロジーとソフトウェアの世界では、今はエキサイティングな時期であり、同時に危険な時期でもあります。マイクロソフトやGitHubが「 コパイロット 」という名称を採用しているのは
的確だと思います。
この名称が示すように、テクノロジーはあなたの代わりではなく、仕事をより良くするためのサポートであることを示しているからです。
記録システムとインサイトの間の重要な
つながりが強固になるにつれて、テスト、観測可能性、セキュリティのような分野で、コパイロット同様のイノベーションの出現を予見できます。特に、
「インフラストラクチャーのコストと
セキュリティを改善するにはどうすればよい?」のように、より自然で深い質問をシステムに問うことが簡単になれば、オンボーディングがさらに迅速になる可能性があります。特に
リポートに関しては、冗長な作業を自動化するのにも役立つでしょう。
AIはセキュリティや法的な問題を引き起こす可能性があるため、危険性も明らかです。私が最近出席したイノベーション・ラウンドテーブル
(今回はF1カメはなし)では、経営幹部の最大の懸念はAIの法的影響についでした。
LLMとFMをどのようにトレーニングするかにもよりますが、特に他人の知的財産を使って
モデルをトレーニングする場合、法的な懸念があります。これは、IPや情報やコードの意図的なポイズニング
を含むサプライチェーン全体の問題を提起します。AIがソーシャル・エンジニアリングに使われたり、
悪意のあるコードやマルウェアを書き込むために使われた場合の「直接的な脅威」については言うまでもありません。
アップサイドを最大化し、リスクを最小化するために、開発者、運用、セキュリティ・エンジニアのすべてのリーダーは、基本的なベスト・プラクティスを今
制定すべきでしょう。
- コードのどこでAIを使うべきか、使わないべきか?
コアIPのコード記述に生成AIを使うのですか?最も重要な実践は、ポリシーを導入することです。 コードは
プロダクト全体に急速に拡散する可能性があり、そのうちどれだけがAIによる支援で生成されたものなのかを把握しておくことが重要です。 - AIから最も恩恵を受けるのはどこですか?
インサイトシステムと記録システムを組み合わせることで最も恩恵を受けそうな特定の分野を選び、まずはそのコードベースだけで良くなるようにLLMを訓練します。 - 将来のビジネスの成功のために、記録システムとインサイトシステムを整合させる計画を立てましょう。これらの
プロセスやシステムは相互接続の初期段階にあるが、組織が次の技術的飛躍を遂げるには、それらの潜在能力を引き出すことが極めて
重要になります。
Sumo Logicでは、生成AIのような技術を取り入れることにワクワクしています。ますます多くのDevSecOpsチームが、
ログがチームコラボレーションの共通言語と記録システムとして機能することに気づき始めています。 ここに「システム・オブ・インサイト」を加えることで、
その効果は飛躍的に高まるでしょう。私たちはすでに業界で最もスケーラブルなログ分析プラットフォーム
を持っており、サイロを壊しコラボレーションを構築するための基盤になりつつあります。


