
道場における役割は、パンチを喰らわせることに限られません。その中には認識、つまりいつ動くべきか、どこから攻撃が来るのか、そしてなぜ対戦相手が重要となるのかを伝える紛れもない声となるものがあります。そのうちの1つが、Sumo Logic Dojo AIにおけるサマリーエージェントの役割です。
これは従来のエージェントとは異なり、自らクエリを起動したり、アクションを実行したりすることはありません。その目的は演じることではなく、語ることにあります。そうすることにより、サマリーエージェントは道場におけるあらゆる決定の基礎となるのです。
サマリーエージェントの実際の役割
本質的に、サマリーエージェントはストーリーテラーであるといえます。これはシグナルやメタデータ、関連するエンティティなど、インシデントの断片を要約へと変換する作業を担います。「実行:不審な行為」のような漠然としたタイトルの代わりに、何が起こったのか、誰が関与したのか、なぜそれが重要なのかがアナリストに明確に説明されます。
ラベルからナラティブへの移行により、セキュリティチームに明瞭さがもたらされ、作業をより迅速に完了できるようになります。点滅する赤信号が、追跡可能な筋書きへと変換されるのです。Tier-1のアナリストは、もはや不可解なタグに悩まされたり、状況が不明瞭であるという理由だけでエスカレーションを行ったりする必要はありません。シニアアナリストがノイズに埋もれることもありません。SOCリーダーは、より明確な焦点を持った、ボトルネックの少ないチームを得ることができるでしょう。
断片から誰もが共有できる物語へ
真のブレークスルーは、個人が得る明瞭さではありません。各要約では、企業チーム全体で使用可能なナラティブが共有されます。インシデントのエスカレーションが必要であるかどうかを判断するSOCアナリストや、システムの安定性を確認する可観測性エンジニア、そしてレポートを作成するマネージャーなど、誰もが同じ言語とストーリーに基づいて作業するため、誤解が生じることはありません。
これは、アナリストだけでなく、複数の読者の役に立ちます。1つのストーリーをインシデント対応者、クラウドエンジニア、または経営幹部に伝えることができるのです。
ガードレール機能
舞台裏では、サマリーエージェントがAmazon Bedrock提供のモデル上で実行されています。プライバシーとセキュリティは妥協を許しません。このため、モデルのトレーニングに顧客データが使用されることはなく、厳密なテナント分離が実施されるほか、処理をサポートする一時キャッシュは自動的に期限切れになるようになっています。
アナリストがメリットを得るための設定を行ったり、トレーニングを受けたりする必要はありません。要約は、新しいインサイトの横に表示されるのです。フィードバックループは、ユーザーが要約を評価し、改善を提案することを可能にしますが、こうした改良により顧客データが危険にさらされることはありません。サマリーエージェントの声には一貫性があり、安全で信頼できるように設計されています。
現場での証明
サマリーエージェントのベータ版は、数名のお客様を対象にテストされています。数週間以内に、登録中のお客様の80%以上が積極的に使用を開始し、合計で1700件を超える要約が評価されたという統計が出ており、中には140件を超える要約を確認したお客様もいらっしゃいました。
その結果は火を見るより明らかです。アプリ内評価の4分の3近くが肯定的であるという事実から、お客様がサマリーエージェントにより価値を得ていることは間違いないでしょう。 業界のアナリストは、その最も直接的なメリットとして、明瞭さと可読性を指摘しています。また、業界のマネージャーは、要約によって個人や企業チーム間の引き継ぎがスムーズになることを認識しました。各アナリストがメモを書く代わりに、全員が同じ簡潔な説明を見ることができるため、SOCおよび可観測性チーム全体におけるコラボレーションの高速化が実現します。
ベータ版の終了時までに、トリアージ時間はなんと30%以上短縮され、不要なエスカレーションも大幅に緩和されました。
Dojoに明瞭さが求められる理由
Dojo AIでは、実際の脅威に対する回復力とエネルギーの節約が重視されます。しかし、回復力は明瞭さなくしては得られません。サマリーエージェントは、その明瞭さを1人の担当者に限定せず、組織全体で共有できる形で提供します。
他のベンダーがアラートを1つ1つ要約し、後でつなぎ合わせる必要のある説明を断片的に作成することが多い中、サマリーエージェントは独自の手法を活用しています。この手法では、シグナルがすでに相関関係にあり、コンテキスト化されているインサイトレベルで要約が行われ、それが企業チーム内で共有できるナラティブとして表現されます。
これによってノイズが削減され、SOCと可観測性チームの複数人が信頼および対応できるストーリーが作成されます。
Dojo AIを体験してみましょう。デモをご予約ください。


