一目でわかる結果
課題
優れたユーザー体験を提供するために必要なデータは増え続け、コストと複雑さも同様に増加したため、顧客の要求に応えることが困難になりました。
サムスン電子のBixbyは、2017年にリリースされた人工知能（AI）プラットフォームです。SiriやAlexaのような仮想アシスタントであるBixbyは、サムスン電子の主力製品ラインであるGalaxyと、Galaxyエコシステム内の様々なガジェットや家電製品と連携します。Bixbyはユーザーの声を活用し、日常的なタスクを実行し、接続されたデバイスを制御します。
Bixbyの深層学習AIモデルはユーザーの声を理解し、ユーザーデータが蓄積されるにつれてより正確な結果を提供します。しかし、Bixbyはユーザーごとに必要なデータ量が増えたため、分析・管理すべきデータ量が増加し、開発チームにおけるデータ管理コストが急増しました。
従来使用されていたクラウドベースの分析システムであるGoogle StackdriverとGoogle Cloud Operationsは、簡易的な検索やデバッグ機能をサポートしていたものの、分析チームは依然として追加プロセスやデータ形式の変更を経る必要がありました。デバッグ、データ配布、パフォーマンス、問題解決を含む、有意義な結果の創出と顧客体験の向上には改善の余地がありました。
ソリューション
Sumo Logicの導入により、Bixbyサービスの運用全体の品質と効率が向上し、データの適切な維持管理によるコスト削減も実現しました。ログ分析と機械学習を活用し、単純な検索よりも迅速に問題に対処するSumo Logicは、デバッグとパフォーマンス問題の解決を改善し、高品質なサービス提供を実現します。
Sumo Logicの導入・稼働後、日々のログ取り込み量は平均35TB（テラバイト）に達します。サムスン電子のBixbyチームに所属する約550名のエンジニアおよび開発者がSumo Logicを利用しており、その大半はSumo Logicの学習プラットフォームを通じて認定を受けています。
「特に、Sumo Logicの強力なクエリ機能は競争優位性となる機能として機能し、類似したエラーや頻繁に問題が発生するソフトウェアバージョンの特定など、洞察に富んだ結果を提供します」
—Youngjip Kim氏、執行副社長、AIチーム責任者
結果
SaaSベースのソリューションによる効率強化とコスト削減
サムスン電子のBixbyチームは、Sumo LogicのSaaS分析プラットフォームを採用することで、データ分析システムの柔軟性を向上させ、管理リソースの削減に成功しました。開発者たちは特に、このプラットフォームを高く評価しています。なぜなら、追加のストレージスペースを必要とせずに、様々な形式のログを分析・処理する強力な機能を提供しているからです。これにより、開発者はサービスに対してより多様な洞察を生み出すことができます。
さらに、データ階層化では、継続的階層、頻繁階層、非頻繁階層を組み合わせて提供し、各階層ごとにデータを保存するとともに、一定のデータアクセス機能と検索機能を提供します。ログ量の増加にもかかわらず、階層化機能によりログ分析の効率が向上し、従来のソリューションと比較して約30％のコスト削減を実現しました。
強力な機能がログ分析を最適化
トラブルシューティングの効率向上と顧客サービス品質の改善を目的とした、より強力なログ分析の需要の高まりに対応し、Sumo Logicは導入されました。その主な機能には、ログ検索、クエリ可用性、ロギングシステムの監査、異常や不規則な状況の検知およびアラート機能などが含まれます。
Sumo Logicの統計および分析機能は、サービスパフォーマンス監視の改善と、データ問題の特定・解決プロセスの効率化において重要な役割を果たしています。Sumo Logicの強力かつ独自のクエリ機能により、シンプルな検索機能や、類似の問題がいつ・どこで発生したか、どのソフトウェアバージョンが影響を受けたかといった情報へ迅速にアクセスできます。開発者たちは特に、問題の根本原因を発見・分析する能力をSumo Logicの最も価値ある強みとして評価しました。
「Sumo LogicプラットフォームをBixbyのロギングシステムとして活用しており、開発者はサービスのデバッグ、開発、プロセス管理にこれを活用しています。強力なクエリ機能は競争優位性であり、頻繁に発生する類似タイプのエラーや問題を抱えるソフトウェアバージョンを迅速に特定し、一時的な対応を超えた根本的な問題の特定と解決を支援します」と、Youngjip Kim執行副社長兼AIチーム責任者は述べました。
Kim氏はさらに、「タイムスライスと転置機能を用いて統計結果を可視化するプラットフォームの能力は、問題分析の初期段階で強力な洞察を提供してくれます」と付け加えました。
さらに、Sumo Logic専任の専属チームは、Bixbyサービスの開発およびデプロイにおける効率的な活用方法を模索することで、その機能を最大限に活用しました。チームが革新を重ね、有用なクエリを習得し組織内で共有するにつれ、プラットフォームの活用が向上しました。これにより、データ分析へのアクセスが容易になり、エンジニア間の安全な共同作業が可能になります。
顧客サービスの向上と対応時間の短縮
Kim氏は、Sumo Logicソリューションの導入を通じて達成された最も重要な成果は、サービス品質の向上と問題の特定・解決プロセスの改善であると説明しました。Sumo Logicソリューションを通じて、サービス停止やパフォーマンス遅延などの問題が短時間で特定・解決され、顧客体験の向上を実現しました。
Sumo Logicを使用することで、問題の特定と診断にかかる時間が大幅に短縮されました。
Sumo Logicのダッシュボードとクエリ機能により、開発者は顧客の苦情や課題点を迅速に確認し、根本的な問題を診断できるため、より安定したサービスが実現します。さらに、Bixby開発者、データアナリスト、プロダクトマネージャー（PM）、DevOpsエンジニアなど、サービス開発に関わるステークホルダーが増えるにつれ、様々な分析結果やテンプレートを活用する動きが広がり、サービスの整合性がより明確になってきています。
「サービス開発チームにとって、ユーザーの課題点を分析し、可能な限り迅速に問題に取り組むことが極めて重要です。Sumo Logicのダッシュボードを活用し、問題を即座に特定してユーザーに高品質なサービスを提供しています」（Kim氏）
